これぞ隠れた名作アメコミ映画!!


もはや恒例となったアメコミ記事。これまでいくつもの記事を通して、各作品の紹介ヒーローたちの解説、そして公開が近い映画についての考察等を話してきました。さて、そんなアメコミ尽くしの本ブログですが、今回はその中で知る人ぞ知る名作(迷作?)について紹介していきたいと思います。

 

【デアデビル

現在では新バットマンとしての印象が強いベン・アフレックが主演を務めた作品。夜な夜な法では裁ききれない悪を断罪する戦士「デアデビル」として戦う盲目の弁護士マット・フランクの活躍を描いた作品。原作はMARVELコミックで、その陰鬱とした重厚な内容は当時徐々に増えつつあった高年齢層にウケ、現在でも人気ヒーローとしての地位を保ち続けていいます。そんな彼を主役に置いた本作でありますが、残念ながら公開当時の評価はよくありませんでした。その大半の理由が敵が地味なの話が暗いなのいったものでした。実際、本作はデアデビルというヒーローの方向性もあってか、やや暗い展開が目立つ出来となっていますが話そのものの説得力や面白さなどは十分であり、従来の「度派手なエフェクトで暴れまわる」というアメコミの印象を覆してくれるでしょう。

【パニッシャー (02年版)】

ある意味ではデアデビルの、ひいてはヒーロー全体のアンチテーゼ的なポジションの存在であるパニッシャーの戦いを描いた作品。コイツの特徴といえば、どんな犯罪者であっても決して容赦はせず、確実に殺すところ…。物騒ですね。これには壮絶な背景があり、本作はその過去と主人公が「パニッシャー」という情け無用の自警団(ヴィジランテ)として生きる決意を固めるまでを描いた秀作であります。これも残念ながら世間的な評価は決していいとは言えないのですが、問題は批判の中身にあります。その大半は「パニッシャーがカッコよすぎる」というもの。…はぁ?良いじゃないですか。変に雰囲気を出そうとして、カッコ悪い人を選ぶよかカッコいい人を選んだほうが全然いいです。それに、個人的には明るい世界から絶望の淵に立たされてしまった悲劇の男のイメージをうまく表現できていたと思います。決して華やかとは言えないアクションや儚さと危うさを両方混ぜ合わせたような音楽も印象的です。これほどまでに危ういヒーロー、パニッシャーを描き切った作品はそうはないでしょう。…少々気持ちがこもり過ぎましたね。要は、ステータス的には確かに他の作品には劣る面があったとしても、今作は名だたるアメコミ映画に並ぶほどの魅力を秘めているということです。アメリカにもここまで激しく、そして悲しみを背負った戦士がいるということを皆さんに知ってもらいたいです。

【ヘル・ボーイ】

あの珍作(名作?)「MASK」を生み出したダークホースコミックという出版社のヒーローの映画化作品。監督はあのギレルモ・デル・トロ。彼の趣味や性格が色濃く反映された本作は、ヘル・ボーイ独特のオカルトチックな要素とゴシックホラー的な側面が合わさった名作として有名であります。では簡単なあらすじを…

時は第二次世界大戦末期、追い詰められつつあったナチスは冥界の門を開き、一匹の悪魔を召還した。偶然その現場を発見したアメリカの諜報部隊は儀式の場へ乱入。ナチス制圧の後、不完全な状態で放置されたその小悪魔を保護する。そして時は経ち現在、超常現象研究機関の一員として働くヘルボーイたちは、暗躍するナチス残党のとある計画を察知する。

いやぁ…、これだけでも胸躍りますね。細かな点を除いて基本的に原作に忠実な本作は、上述した監督の趣味も相まって娯楽作として屈指の完成度を誇っております。また人の眼を忍んで戦い続けるという日本のヒーローにも通じる要素を兼ねそろえており、見ていくうえでその本質を読み解いていくことにも時間はかからないでしょう。現在一応シリーズで二作制作されています。非常に見やすいので、興味のある方はぜひ手に取ってみてください。

【ウォッチメン】

「隠れた名作」として紹介するのはどうなのか?とかなり悩んだのですが、普段の記事ではあんまり紹介する機会がないと思ったのでこれに加えました。ということで、ウォッチメンです。今作はかの巨匠アラン・ムーア氏によって生み出された歴史的作品であり、それまでのアメコミの定義を根底から覆すような衝撃を業界に与えました。さて、その衝撃とは一体何なのか?それは「現実世界のできごとを反映させたストーリー」と「社会が立たされた問題の前にヒーローは何をするか?」という点に対して真摯に向き合った点にあります。それまでのアメコミはよくも悪くも単なる勧善懲悪ものであることが多く、少々のマンネリを抱えた状況にありました。エンターテイメントであるゆえに、過剰なまでのテーマ性は不要かと思えますがこの時の模索が今のアメコミに繋がったともいえます。その産物がウォッチメンなのです。

ではその実写化はどうだったかというと…。それはそれは非の打ちどころが無いくらいの名作でありました。いやむしろ、現代的な視点でさらにブラッシュアップしたという意味ではおそらく原作のそれを上回った出来であると確信しています。世相を考慮すればこちらのほうがメッセージ性も強く、より我々の心に残りやすい構成となっていました。