アメコミ 「スーパーマン アースワン」を読んだのでその感想


「鳥だ!飛行機だ!いや違う。スーパーマンだ!!!」のフレーズで始まる世界一有名なヒーロー、スーパーマン。鋼の男、マンオブスティールと呼ばれるこの超人の名前はどんなにヒーローに疎い人であっても聞いたことはあると思います。そんな正義の超人コミックを通して世に知られるようになってから既に80年ほどの月日が経ちました。当然、その長い歴史の中において、設定の変更やオリジンの再設定などは数う多く行われており、幾度の議論を通して今日に至りました。

さて、膨大な歴史を背負ってきたということは、当然初心者にとっては中々にハードルの高い存在であるということ。オリジンは二つの映画版を通して知ることができるとはいえ、未だに浸透していないことは事実であります。そんな時にオススメしたのが本作「スーパーマン アースワン」。これは、スーパーマンが誕生する過程を完全オリジナルの世界観で再解釈した物語であり、マンガチックにいうとリブート版第一話という位置付けの作品であります。以前にもバットマンの誕生譚を語り直した「バットマン アースワン」という作品をレビューしましたが、今作もその例に漏れず、大胆にイメージの改変に勤めています。

特筆しべき点はスーパーマンになる以前のクラーク・ケントが生涯の勤め先となる「デイリー・プラネット」へ行く以前に複数の職を転々とすた設定を加えたことにあり、これによって本来派の人間を軽く凌駕する彼が、この社会に置いて如何にして「一般的な幸せ」を見つけることができるのか?という苦悩を強調できていること。完璧という側面を強く押し出してきた従来の作品とは異なり、このアースワン系列は社会的なバックボーンを作り出すことで、ヒーローの人間性を描き出す事に長けたシリーズと言えるでしょう。既存の作品においては必ず序盤に登場を果たしていたクラークの本当の両親=エル夫妻を登場させなかった点も英断と言えるでしょう。

しかし、締める所はしっかりと締めるのが本作の良いところ。終盤ではそれまでの作風とは打って変わってスーパーマンらしい壮大なスケールのヴィランが登場します。リアリティ溢れる社会に突然舞い降りてきた非現実の存在…。突然すぎることもあり、この展開には少々戸惑ってしまいましたが、これが却ってスーパーマンの英雄性、救世主としての側面を助ける結果となりました。

よってこの作品は、全スーパーマンファンに捧げる最高の誕生譚の一つであり、アメコミ入門、またスーパーマン入門に最適な一冊と考えられるでしょう。この物語で繰り広げれる冒険はおそらく忘れられません。