アメコミ NEW52 アクアマン:アトランティスの王 レビュー

2016年10月25日

誇り高き海の覇者

映画「ジャスティス・リーグ」の公開も来年に迫り、DCEUの広がりも本格的なものになってきましたね。それに合わせ、今まで翻訳されてなかったアメコミの出版なども増え、書店での品揃えがかなり充実してきました。今回レビューする「NEW52 アクアマン」もそんな一冊であり、単体雑誌で言うと日本初上陸のものです。このアクアマンですが、残念ながら日本での知名度は高いとは言えません。ので、この場を借りて、サクッと彼について紹介していくことにします。アクアマンこと、アーサー・カーリーは地上人と水棲人の間に生まれたハーフであり、海底国家アトランティスの王でもある、まるで「海のトリトン」のような設定を持つヒーローです(アクアマンのほうが登場は先。この設定に関しても何回か改変されてる。)その誇り高く、成熟した精神と、深海の重圧にも耐えられる屈強な肉体を武器に、海の平和を乱す存在と戦います。そんな彼も、他のヒーローの例に漏れず、大型クロスオーバー企画「フラッシュ・ポイント」において設定をリランチされました。本作は、そのリランチ後初の単独誌であり、彼の地上での活躍を描き直した作品となっています。ということで、前置きが長くなりましたが、レビューに行きましょう。

・あらすじ
地球の危機を救ったチーム、「ジャスティス・リーグ」に参加しながらも、アクアマンに対する世間の評価は冷たかった。さらに、とある事情によりアトランティスから抜け出していた彼は、自分を慕って現れたメラと共に、ヒーロー業の傍ら、地上人としての生活を送っていた。しかし、海からの来訪者がその生活を狂わせる。海溝に住まう獰猛な怪物‘トレンチ’が地上に現れたのだ。もう一つの故郷である地上を脅威から守るため、アクアマンは怪物に立ち向かう!

本作のテーマはズバリ、アクアマンの苦悩(大雑把すぎ!)海底から現れる怪物トレンチ。人々から言われもない中傷を受けるアクアマンが自分のもう一つの故郷である地上を守るために、果敢にトレンチに立ち向かう。う~んカッコいい!今までアクアマンのことはゲームやJLAでしか知らなかったけど、彼がここまで魅力的な存在だったとは…(と、単独誌を買って読むたびに同じことを思う僕。)いくら見た目が人間とは言え、やはり外界の存在であるがゆえに、ネタのための格好の的まとにされるんですね。そこから彼が偏見を乗り越えて、どうやってヒーローとして認められていくのかを周囲の人間関係を通して王道的なシナリオで描いていく、ある意味仮面ライダー的(これも毎回言ってる)な物語なんですよ。また、地上と海底の2つのルーツを持つがゆえに、一方的な見識で物事を見ようとせず、人間を喰らう怪物トレンチに対しても「何か事情があるのではないか?」と考え込む様はまさに「悩めるヒーロー」。更にそこへ、まだ人間として生活していたときの回想を挟むことで、中途半端な立場に説得力を持たせているんですね。

戦闘描写も迫力の一言。海洋生物との意思疎通といった特殊能力に始まり、トライデントをブンブンと振り回すアクアマンの勇姿を、ダイナミックな構図で描いていきます。その勇ましい戦いっぷりには惚れ惚れしてしまいます。

全体的に初心者向けで、彼がどういった存在なのか知る上で重要な作品にも思えますし、リランチ後の第一巻としてとても読みやすい内容なっています。アメコミの知識がほとんどなくても読めるのが魅力ですね。人間関係に関しても、付属の解説で詳しく語られているので問題ないと思います。また、来年公開される「ジャスティス・リーグ」や再来年公開予定の「アクアマン」の予習にも最適ですね!すでに、続編の和訳刊行が決定したようなので、これは揃えていきたいです。以上、アメコミ「アクアマン」のレビューでした。