ネイモア・サブマリナーって誰?


現在の映画業界で大きなシェアを誇るようになった「アメコミ」。そこに登場するキャラは何らかの形で映像化される、またはゲームなどに出演する等を果たし、その知名度を飛躍的に伸ばしてきました。直近ではドラマによっていよいよ本格的な活躍が見込めるMARVELの「インヒューマンズ」や「ルーク・ケイジ」、DCでは「スーパーガール」などがその恩恵を受けてると言えますね。そんな全世界規模での人気を誇るアメコミキャラの中で、一人不遇という言葉を背負い続けてるヒーローがいます。その名は「ネイモア・サブマリナー」。…だれ?

こんな反応をしてしまう人が多いかと思います。実際、そのような反応をとってしまっても仕方ありません。ではその知名度は本国でも低いのかというと、そういうわけでもなく実はかなり老舗の古参ヒーローであります。しかし、映像化作品に恵まれない…。ということで今回はネイモアという人物に迫っていこうと思います。

   『誕生』

そんな彼の登場はなんとゴールデンエイジ、つまり戦中までさかのぼります。そのころアメコミはどんな内容だったかというと、キャプテン・アメリカが日本兵やドイツ兵相手に激戦を繰り広げるというなんとも時代を感じるものでありました。…まあ、これは時代を考えれば仕方のない事ですね。そんな時代に彼は創造されたのです。しかも敵で。最初の彼はヒーローではありませんでした。海を汚す人類に敵対する海底人、それが最初の姿だったのです。その後いろいろあって人類〔アメリカ限定〕に協力することになった彼は敵対する枢軸国と戦うことになりました(ここら辺の経緯はワンダーウーマンに似てますね)。

さて、戦争が終了し勧善懲悪全盛期のアメコミが戻ってくると次第に彼の人気に陰りが現れ始め、その姿を消してしまいます。こうして、世界大戦の時代をキャプテンたちと駆け抜けた歴戦の勇士は、ながくコミックからその身を眩ませることになったのでした。

  『復活』

時を経てシルバーエイジと呼ばれる時代。ひとつのヒーローチームが現れました。その名は「ファンタスティック・フォー」。今に続くMARVELヒーロー人気の基礎を作り上げた功労者であります。さて、彼らを創造したスタン・リーは、かつて世界大戦を駆け抜けたヒーローをこの作品で復活させます。さて、晴れて復活を果たしたネイモアでありましたが、その堅物な性格が祟ってかしばし人類と衝突を繰り返し、チームを困らせる存在としてその地位を確立していきました。そんなこともあってか、現在ではあくまでも中立を貫く海の守護神という立ち位置で登場し、あまり人類には干渉しない存在を貫いています。が、ファンタスティック・フォー(スーのみ)やかつてに宿敵たちの頼みとなると無視できないという頼もしい性格であったりもします。つまり、扱いが難しいながらもMARVEL世界には欠かせない存在となりました。

 

・なぜ映像作品に恵まれないのか?

まあ言ってしまえばその背景と、世界観に及ぼす影響ではないでしょうか?たとえば背景ですが、いくらそのオリジンに手を加えられるとは言え、彼のかかわってきた世界を変えることはできません。つまり、映像化するとなれば必然的に海底国家アトランティスの描写を加える必要があります。正直、現在のMCU世界には、彼が追加される隙は存在しようように思えます。それほどガッチガチに世界観が組まれてしまいました。これを参戦させよものなら、世界観に与える影響は計り知れないでしょう…。加えて、ライバルであるジャスティスリーグには、その背景が非常に似ている「アクアマン」というヒーローが存在します。これが未参戦の原因の一つとは言えませんが、伽羅がかぶってしまうようなヒーローの登場は避けてしまうものでしょう。

他の考察記事をいくつか見て回ってきましたが、僕としては上述の理由がもっとも説得力のある要因に思われます。MCUに続々参戦が決まっているヒーローたちも、その世界観を根本的に変えてしまうような存在ではなく、あくまでも一ヒーローという立場を貫いています。そういった観点からしても、彼の参戦が難しいといえるでしょう。老舗ヒーローであるネイモアサブマリナー。彼の活躍が堪能できる作品は、一部のアメコミだけという非常に狭い範疇に留まっております。今後も日の目を見ることがあまり多いとは言えませんが、どうか翻訳本を買って、彼を思い出してあげてください…。