三部作構成だという新スパイダーマンに抱く不安


人気作品のシリーズ化。今ではそう珍しいことではありませんね。資金力と人材の豊富なハリウッドなどでは古くからドル箱作品のシリーズ化は常でありました。それは、もはや世界的人気ジャンルとなったアメコミにも言えることで、古くはドナー版のスーパーマンに始まり、続くバットマン、MARVELのX-MENなどもシリーズ化を果たしました。しかし、その結果はいずれも悲惨なものとなり、バットマンやX-MENに至っては存続の危機にまで立たされたほどです。そんな、ある意味では負の象徴ともいえる「シリーズ化」ですが、なんと公開の近い新スパイダーマンも三部作構成であることが公式で明かされました。スパイディは確かに多くの成功をおさめ、アベンジャーズへの参戦で最も話題となったヒーローでもありますが、シリーズ化失敗の代名詞としてもかなり有名な存在でもあります。そんな奴の再々シリーズ化。しかも主導するのはMARVELスタジオではなく数々の失敗の元凶であるソニー。まだ懲りてなかったんですね…。今回は、そんなスパイディがどこで過ちを犯し、また再々シリーズ化のはてに何が待ち受けてるのか?についてまとめていこうと思います。

【サム・ライミ版における失敗】

スパイダーマンというヒーローを世界的に有名な存在へと昇華した記念すべきシリーズ。残念ながら失敗はここから始まります。その原因はSONYの横暴であり、1と2で描いてきた主人公の成長と成熟という完結されたテーマを、シリーズを続けたいがために無理やり繰り返したことにあります。その結果生まれたスパイダーマン3は、アクションやヴィランは良いものの散々説かれた「力には責任が伴う」という教訓は度忘れしたかのような展開の数々に1の時よりさらに未熟になった主人公の性格など、おおよそストーリー面やキャラの掘り下げで褒められる出来ではありませんでした。こういった展開が災いしてか、映画の確かにヒットしたものの、予想した成績を残すことができずシリーズは完全に終了、有終の美を飾るには至りませんでした。まあこれだけならば、まだ偶然の結果とも言えたかもしれません。

【マーク・ウェブ版での失敗】

苦悩と成長について教訓という形で描いたライミ版と打って変わって若者の青春に焦点を当てた本シリーズ。学園ものという側面と近未来的な視点で描かれた舞台などSFドラマのような設定に能力発現の元を探るサスペンスミステリー的な要素を落とし込んだ野心的な作風は、瞬く間に人気となり新たなスパイディ旋風を巻き起こしました。そんな期待に期待を抱かれたシリーズも残念ながら続編の「アメイジング・スパイダーマン2」でライミ版と似たような失敗を犯してしまいました。まず思い浮かぶのが詰め込みすぎた設定の膨張。これは元からあった設定をさらに煮詰めようとして招いてしまった事態であり、映画にも製作にも非があったといえます。もう一つがSONYの不満にあります。アベンジャーズの成功を見たSONYはスパイダーマンのフランチャイズ化を画策。結果としてアイデアだけが先行したこの目論見通りにならなかったことが、二度目のシリーズ終了の決定打となりました。終わり方が割と良かっただけに、もろもろの部分でお失敗とSONYの横暴に振り回された結果として終焉を迎えてしまったというのは正直残念に思えました。

【そしてSONYに抱く不安】

さて、ついに話は現代に戻ってきました。ここまで読んできた方ならお分かりのように、ようは欲張りなSONYの失策といえるのです。作品をシリーズ化するのは結構ですし、膨大な作品にまたがって続編を製作するのも良いでしょう。しかし、それこそが落とし穴であり、有頂天になりすぎると足元をすくわれる結果になってしまうんですね。SONYは三部作構想とともに、単独世界として構想していた「ヴェノム」のMCU入りについて現況しました。ここから見るに、今までのミスを反省しているようには思えません。むしろ悪化してるといえます。聞くところによると、MARVELスタジオよりSONYのほうが権威は上のようです。となると、最悪続編以降の新スパイディはMCUから脱退する可能性もあるということです。別にファンはフランチャイズ化なんて望んでないんですよ。せっかく参入したスパイディの離脱はなんとしても避けてほしいだけんなんです。とともに、横暴とも取れる態度を猛省し、過去から学んだ失敗点を改善した一人の少年の成長劇を最後まで描いてほしいですね。MCUという世界観に仲間入りを果たしたということはそういうことなんです。もはやそこにいるのは、単独で戦うヒーローのスパイダーマンではなく、アベンジャーズというチームの一員となった成熟したヒーローとしてのスパイディなのです。そこら辺をちゃんと考慮して今後は作品の制作に携わってほしいですね。