大乱闘!!「ワールド・ウォーハルク」を読んだので、その感想を


本気を出したヒーロー同士のガチバトル。スーパーヒーローのファンならば誰もが一度は連想した夢であると思います。しかし、この命題は大体が「どのようの理由の元、彼らを戦わせるか?」という点で挫折する案件となっています。三流のクリエイターの手にかかればアホを極めた喧嘩となり、一流ともなれば社会性を帯びた重厚なストーリーになる…。要は非常に扱いづらいネタであると言えますね。

さて、今回紹介する「ワールド・ウォーハルク」はまさにこのヒーローガチバトルを扱った作品であります。ハルクといえば皆さんは何を連想するでしょか?緑のデカブツ?アベンジャーズの暴れん坊?全て当たってますね(笑)。そんなハルクが本気を出して地球のヒーローと激突したらどうなるか?そんな、marvelファンにとってはある種夢であった物語を具現化したのが本作となっております。しかし、上にも書いたようにそこには一定の理由と正当性をもたせつ必要があります。今作は果てしない脳筋バトルの産物としては優れた出来でありますが、こと理由に関しては若干違和感を感じる仕上がりであったと言えます。

この作品は、映画でも非常に話題となった「シビル・ウォー」の前夜からスタートします。その当時、世界最高峰の権力と力を持っていたアイアンマン、ファンタスティック・フォーのリード・リチャーズ、Dr.ストレンジ、ブラックボルトの四人は存在自体が災害級のハルクの地球追放を計画します。彼らによって深宇宙へと追放されたハルクは、そこで未知の惑星へとたどり着き、過酷な試練の末、惑星の王となり住民からの信頼や妻を得ます。まさに幸せの絶頂のような状況でありましたが、そこで彼を連れてきたロケットが爆発!百万の民が犠牲となる大災害となりました。これにマジギレしたハルクは、ロケット爆発が地球のヒーローの陰謀であると断言し、復讐を結構します。

いや〜凄いは話ですね(^◇^;)。僕は映画版シビル・ウォーは絶賛派なのですが、原初版に関してはあまり良い印象を持っていません。それはヒーローによって大きな扱いの差が存在するからです。今作に関しても、戦犯というポジションからか、アイアンマンを含めた一部のヒーローの扱いが比較的悪く悪役として役目を背負わされているように感じました。しかし、こういった守護者側の過剰なまでの防衛行動は現在の社会にも通づる部分があり、この暴走するハルクとはある意味抑圧された大衆の体現者とも取れる構成となっているのがポイントです。そういった視点で本作を見てみると、また違った感想が得られるかもしれません。

まあ、こんな理屈抜きにしても単純な戦闘描写は特筆すべきものです。特に、翻訳本では中々お目にかかれないヒーロー「セントリー」の貴重なガチバトルが見れます。セントリーとはSの字が目立つスーツに、太陽の力を持つ、まさにスーp…(以下自主規制)のような最強レベルのヒーローであり、チャームポイントとしてそのメンタルの弱さが挙げられます。こいつがまた一癖も二癖もあって、持ち前の豆腐メンタルが起因して終盤まで活躍を控えています。それだけに、最後のバトルは必見物。セントリーもさることながら、「ハルクってこんなに強かったのか…」と改めて実感することができました。

では最後にまとめ。クロスオーバー企画としてはこの上なく面白い仕上がりとなっていますが、特オタや一部のひーろーふぁんにはお勧めできない内容です。企画そのものを柔軟に受け入れられる人ならば問題なく楽しめる作品ではありますが、この作品に作中の出来事全てに対する回答を得ようとする人には向いていません。