映画 スーパーマリオ 魔界帝国の女神 感想

2016年10月22日

マリオがハリウッドを本気にさせちゃった!

…なんてこともなく、本気にさせたのはファンの怒り(と言うより、呆れかな?)である。そう、本作は伝説の映画(勿論悪い意味で)として有名な「実写版スーパーマリオ」である。決してYouTubeとかに上がってる、キレの有る実写マリオとかではない。日本原作の作品を、あちらで実写にするとすこぶる評価が悪くなるという一種のジンクスがあるが、まさかここまでとはね…。ということで、今回は実写版マリオを紹介していきます。

〈あらすじ〉
配管工を営むマリオとルイージは、ある時恐竜の研究に没頭する美女、デイジーと出会う、一目惚れしたルイージは、マリオのアドバイスもあり、デートを決行、関係を深めていく。しかし、突如として現れた二人組によってデイジーは誘拐される。誘拐犯を追うマリオとルイージは、異名な空間に辿り着く…。なんとそこは、太古に絶滅したと思われた恐竜たちの住む脅威の地下世界だったのだ!

・感想
この物語、悪い部分が明確である。それは何か?このシナリオを「スーパーマリオ」で作ろうとしたことである。あらすじを見ていただければわかるように、クッパ一味の設定やヒロイン設定が全く違う。クッパって亀の怪物じゃなかったか?「絶滅していた恐竜が地下で帝国を築いていた」なんてまるで「ゲッターロボ」のシナリオみたいだ。ココらへんは洋泉社の「底抜け超大作」でもツッコまれている。それに加え、マリオブラザーズの設定も違う。本作の二人は、正真正銘本当にただの配管工で、特殊能力はない。さらにマリオはおっさんで、ルイージとは年の差のある義兄弟である。しかもブルックリン在住。当然キノコ王国は出てこないし、でっかくなったりもしない。一応違う形でキノコは物語に深く食い込んで来るのだが、それでも苦しい。こんなので中途半端な原作再現をするから、見てる側としては終始ポカンとすることしか出来ず、「自分は一体何を見てるのだろうか?」と困惑するハメになる。まあ、それ以外の要素や物語の進行についてはそんな悪いとは思わなかった。極めつけはそのビジュアルで、年の差マリオブラザーズはまあ許容範囲として、クッパとその配下は完全にアウトだ。亀の化物から恐竜という設定変更は百歩譲って許すとして、この姿はだめ。後、クリボーとノコノコ、お前らどこに行った?
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真ん中の銃構えてる人がクッパ。マジで。

ここまで酷いと、スタッフたちは本当に「スーパーマリオ」という作品を知っていたのだろうか?と疑問に思う。まあ、一時期とは言えアメリカでもミッキーマウスを凌ぐ人気を誇ったというだけあって、知ってないという方が少ないのだろうが、このデキではそう思われても仕方ないだろう。取ってつけたかのような原作サウンドが、その疑念に拍車をかける。…と、批判の批判を重ねているが、何も悪いところばかりではない。決して斬新とは言えないが、中々に興味をそそられる敵の設定や陽気な劇伴、年の差のある凸凹兄弟の活躍劇と、見方を変えてみれば非常に楽しめる要素が多い。結局、今作は「マリオ実写版」という縛りがあったのが最大の敗因と言えるだろう。こうやって、レンタル作品として見れるようになった今、色眼鏡無しで再評価されることを待ってみるのも良いかもしれない…。そう思える作品であった。