漫画 ウルトラマン超闘士激伝 感想

2016年12月26日

闘士ウルトラマンたちの熱き友情と愛の物語!!彼らの活躍は永遠に…

「ウルトラマン超闘士激伝」…。それはかつて、コミックボンボンで連載されていた、ディフォルメされたウルトラ戦士たちを主人公としたバトル漫画。連載が終了した現在でも、その良質な物語に王道の中の王道を貫いた展開は語りぐさとなっており、いまだその人気は衰えていません。連想しにくい方のために言うと、ウルトラマン版「ドラゴンボール」や「ダイの大冒険」と言った内容(ちなみにシナリオライターも「ダイの大冒険」を担当した三条陸氏。この作品では瑳川竜名義。編集の際に本人特定に苦労したんだとか…)。まさに超王道なのです!そして今回、BOOK OFFでまさかの全巻揃った状態のモノを発見した僕は、時間の許す限り、コレを読んでいくことにしました(物は復刊ドットコムで復刊されたものです)。

 

ということで、現在三巻目、ゴーデス編を読んでいます。この物語、とにかくベタな展開が続くんです!特にこれは、戦いを通して敵だったものが仲間になっていく例が顕著ですね。代表例が第一部のボス格であり、作品全体での主人公であるウルトラマンのライバル、メフィラス大魔王です。
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今作のメフィラスは、一族唯一の戦闘狂と言った設定で、力を求めるあまり故郷の星を滅ぼし、宇宙一の戦士がいると言われるウルトラの星へと侵攻を開始します。はじめこそ優勢でしたが、闘士(ファイター)ウルトラマンが修行の旅から帰ってくると形勢は逆転。奥の手として残っていた肉体強化を発動させるも、ウルトラ戦士たちの友情の前に、人生で初の敗北を経験します。その後、ウルトラマンとのリベンジを望み、自らをさらに鍛え上げることに執念を燃やしたメフィラスは、いつの間にか自分が「武力行使」や「力こそ全て」という考えを捨て、一武闘家として相手との勝負を望んでいることに気が付きます。この、まるでベジータとピッコロを足して2で割ったような変化を遂げていくメフィラス!これがまたベタなのですが、よくある‘ツンデレ’というわけではなく、割りとスムーズに協力し、また共に戦う友としての助言なども与えてくれるので、その印象はただのライバル以上のもとなっています。作中の登場し、仲間になるキャラが全てこういった経緯を通して友情を育んでいくので、観てる側としてもその過程が楽しいです。しかも、その典型といった物が連続して続くにも関わらず、不快だとか飽きたといった感情が全くと言っていいほど感じず、常に先が気になる展開が続いていきます。加えて、単なる正義に勝利に終るわけではなく、こういった他者との協力を描いてるからこそ描くことのできる悲劇的な展開というものしっかりと捉えており、ご都合主義をなるべく控え、それ相応の苦労を重ねている作風に思えます。これが、飽きない感情の起因の一つなんでしょうね。

 

この「犠牲無くして何かを得られないのではないか?」という疑問が、後の展開での根幹に常に存在し続け、第二部の「ヤプール編」では敵の背負っている事情、続く第三部の「ゴーデス編」では戦うことの真意の意味と言った形で問われ続けていきます。いずれも、熱血マンガの典型のような回答が出てきたりはするのですが、同時にその危うさ、それこそリスクと言ったものを全面に押し出し、人(ウルトラ戦士)がどんなに成長しても、その問題は常にあり続けるといった形に落ち着きます。ココらへんの件は非常に教訓的でもあるんですが、その過程においてしっかりとした説得力を生むことで、読者側である我々が疑問を感じることがないんですね。こういった展開などから、本作「超闘士激伝」が単なるバトル漫画の粋を飛び越えた名作である所以なんだと思えました。

 

もちろん、バトル漫画としての熱い部分も、上述のメフィラスのようにしっかりと捉えており、燃える要素はいくつも存在します。その大きな見所は、やっぱり主要戦士たちがどんどん強くなっていくところです。最初は聖衣甲冑から始まり、ウルトラ戦士の覚醒体である「超闘士」(超サイヤ人)の登場。この力を使って、今まで勝てなかった強大な相手を倒していく様は、バトル漫画のそれであり、爽快な気分となります。また本作は、原作シリーズでは敵であった怪獣なども闘士(ファイター)として活動しており、中盤で戦いの中でウルトラ戦士たちとの間に友情が芽生えます。コレだけ観ると単なる王道的仲直りイベントなんですが、彼らはオリジナル作品と違って、原作での敵というイメージが強いです。そんな彼らが、己を鍛えるための修業に励み、ウルトラ戦士たちと肩を並べて強大な悪に立ち向かう…。こんなに燃える展開はありませんよ!!とくに燃えるのがゼットンですね!知っての通りゼットンはウルトラマンを最初に負かしさ強豪怪獣にして映画や舞台でもラスボス常連という凄いやつ。そんな、今まで敵に徹していた奴が、今作では味方となり、ウルトラ戦士たちと肩を並べるとは…ゼットンファンの僕にとっては感涙モノの展開でした!他にも、多数の有名怪獣が味方となって活躍するので、怪獣が好きな方にもおすすめしたいです。

 

・まとめ
現在本作は、メビウスたちを主役とした続編が書かれており、以前と同じように大きな話題となっています。また、復刊ドットコムからも復刻版が出ているので、イッキ読みしたい方や興味を持ったにはぜひ手にとって欲しいです(しかし、高い…(-_-;))。この熱い物語に飽きというものは存在せず、湧いてくるものはヒーローへの憧れ。そして、バトル漫画の手本といえるほどの質。どれをとっても最高の一言です。落ち込んだ時などに読むと、いっきに元気が湧いてくると思います。