石川賢のサザンクロスキッドという作品が物凄く面白かった件

2017年04月4日

爽快アクションの真骨頂

あ‥ありのままに読み終わった作品について話すぜ!この作品は石川賢の作品であって石川賢の作品じゃないんだ。原作付きだから当然ッちゃ当然だし、何言ってるのかわからねーと思うが、俺も何を言ってるのかわからなかった。と、とりあえずストーリーを紹介するぜ?

【ストーリー】

三日と生存できないと言われる死の地で、一人生き延びてきた少年(キッド)、タツヤ。父を殺し、タツヤを宇宙の果てに取り残していったマイク・デビラスを追って復讐の旅に出た。

【感想】

今作は作者の凶悪(褒め言葉)な個性に浸食される大抵の原作付き石川賢作品と異なり、原作者の持ち味を残しつつ、石川賢の強烈な作風と見事にマッチした珍しい作品と言えます。宇宙を舞台にしたSFでありながら、まるで西部劇に出てくるような無法地帯で荒々しく暴れまわる巨漢の物語とは、実に氏の作品のイメージに合った展開と言えますね。

また、本作は単行本で2巻と巻数は非常に少ないですが、ある程度完成されているキャラ造形故に掘り下げは最小限に抑え、あくまでも「敵を倒す」というエンターテインメント性に重点を置いている構成となっています。ので、物語的にムカつく奴や嫌な奴がどんどんボッコボコにされていく様は一種の爽快感を生んでくれます。SFとして必要最小限の謎を残しつつ、あえてそれに対する回答を与えないことが読者の興味をかき立て、飽きさせないような工夫が成されているのだと感じましたね。

こう言った作画担当、原作者それぞれの個性が爆発し、上手い具合に融合された本作はまさに奇跡の一作とも言える作品です。また、創作における盛り上げのやり方や適度な謎と言った重要な点を学ぶ上でも本作は貴重な資料とも成りえ、置いておくだけでも為になる本でもあります。ただ一つ難点を挙げるとすれば、本作は古い作品であるゆえに手に入れることが非常に難しいと言うことでしょう。とくに短編作品となるとその難易度は格段に上がってしまうでしょう。しかし、石川賢という作家の大切な歴史書であることもまた事実、何時の日か、まとめられた形で出版される日が来ることを願っております。