科学戦隊ダイナマンはかなり正統派な作品だった


大・大・大・大・大爆発だぁぁぁぁ!!!

本来であれば四月初めに更新されるであっただろう本記事は、数々の妨害(大半は主の私情)にあったことで、更新がここまで遅れてしまいました。この場を借りて、改めて更新が遅れたことについての謝罪をさせていただこうと思います。申し訳ありませんでした。

…ということで、「爆発」がもはや代名詞となっている戦隊第六作目、「科学戦隊ダイナマン」の完走レビューをしていこうと思います。まず本作のざっくりとした感想は「考えるな!感じろ」系の作品…の皮をかぶった超王道子供向けヒーロー作品とです。さまざまな媒体でネタにされるような超展開や、狙ってないのにネタにしか見えないキャラ、さらに爆発爆発また爆発と、並みの破壊描写には反応できなくなるくらいの過剰な爆破描写はあるものの、その本質は純粋に子供のためのものであり、後半に行くにつれ、割と勢いだけで押していた序盤ではなかなか見られなかったドラマ展開や掘り下げが増えていきました。それらの詳しい解説感想を書く前に、ストーリーのに解説に移っていこうと思います。

 

〈ストーリー〉

太古の昔、地球に落下した隕石に付着していた生命物質が地底で進化して生まれた有尾人の一族、ジャシンカ帝国。尻尾の数で身分が決まるという文化を持つ彼らは、地上に強い憧れを抱き、人類よりも進んだ科学力を駆使して地上征服を企み、日本各地で火山を噴火させたのを手始めに、地上侵略を開始する。

これを察知していた科学者・夢野久太郎は、自らが運営する発明センターに5人の知力と体力に優れた若き科学者を集め、科学戦隊を創設。5人は夢野が開発した強化服・ダイナスーツをまとい、ダイナマンとしてジャシンカ帝国の野望を打ち砕くべく立ち上がったのであった。

[感想]

さて、ここからが本格的な感想の始まりです。先にも述べたとおり、今作は単純熱血系の皮をかぶった王道戦隊であり、テーマである「子供のためのヒーロー」というものを各キャラの掘り下げとともに描き続けた名作です。その傾向は強引に子供を物語に結びつける序盤からすでにみられ、いずれも子供たちの夢を守る戦士としてダイナマンを描き、またその描写に関しても子供の模範となる成熟した大人のキャラ、お兄さんお姉さんといった側面が強く出ています。とくに、その描写が顕著なのがダイナレッドこと弾北斗ダイナブラックこと星川竜の二人です。

前者は完璧な王道リーダーとして序盤は描かれていきますが後半になるにつれてそのキャラクター性が掘り下げられていき、(ヒーローとしてある意味当然であるものの)なぜ、命を懸けてまで子供たちの夢を守るのか?といった点に明確な理由が与えられ、そのヒーロー性と人間性を極限まで高めたキャラへと変わっていきます。まさに理想的な主人公であり、頼れるお兄さんの代表です。

次に、後者の星川竜ですが、彼は子供に寄り添って、時に優しく、時に厳しく接する頼れるお兄さんキャラというヒーローとしての完璧なキャラを貫き通したと言えます。比較的キャラの掘り下げが中盤からに偏っている本作の中でも、彼の描写は序盤からすでに多く、ダイナマンという作品の方向性を記す重要なポジションとして機能していたのではないかと考えてます。彼の強さと優しさが前面に押し出された単体エピソードはいずれも質が高く、回を重ねるごとに魅力が増していきます。また、彼は忍者の末裔なのですが、得意の忍術を生かした逆転劇は、役者ご本人がアクターということもあって、非常に見ごたえのあるものになっています。

もう一つのテーマでもある「夢と科学」に関しても、未来を予感させるヴィジョンを見せつつ、その内側には過去の過ちや慢心から生まれた災いといった負の側面も確りと孕ませたメッセージ性の強い伝え方がなされています。とくに、終盤で行方をくらます夢野博士のくだりは必見です。また、今作全般に言えることなのですが、この二つのテーマは序盤から中盤にかけては物語に付随する要素といった側面が強調されてるのですが、後半になるにつれ、スタッフもハチャメチャだった作風を反省したのか超展開的な部分は鳴りを潜め、物語とってなくてはならない存在として意識されるようになり、それを踏まえたうえで成し遂げられた最終回の展開は冗談抜きで感動的な仕上がりとなっていました。

そして、お待ちかえの敵側である「ジャシンカ帝国」のドラマですが、これまた秀逸の一言でしたね。今ではほぼ当たり前のこととなっていますが、こういった敵側のドラマを濃厚に描くというのはこのダイナマンが構築したといっても過言ではないでしょう。それが色濃く描かれてくるのが、「尻尾の数によって優劣が決まる」という支配制度に対する疑問が生まれてくる後半であり、その体現者となるのはジャシンカの王子にしてダイナレッドのライバルであるメギド王子。序盤から中盤にかけての彼は作戦失敗の連続や、ちょっとバカみたいな言動が相まって非常にネタくさいキャラとなっているのですが、そんな彼はとあるエピソード以降人が変わったかのように強さを身に着け、信念を貫くキャラへと変貌します。詳しくはネタばれになるので省くのですが、それからの彼の活躍は凄まじく、まさに主人公たちの好敵手を名乗るのにふさわしい戦士へと変身を遂げました。彼はまさしく、「科学戦隊ダイナマン」の影の主役といえるでしょう

このように、ダイナマンは敵側、味方側の双方に濃密なドラマを与えることで、熱血に収まらない魅力を引き出すことに成功し、その後の戦隊、ひいては特撮作品全体の魅力であるシナリオ構成の基礎を築くに至ったのです。そしてこれは、なにもどらまにかhぎった話ではないのです。これから続くアクションパートにもそのドラマ要素、成長要素を強く残すことに成功しています。

<アクション>

ついつい書きたいことがながくなり、肝心のアクションパートを語るのが遅くなってしまいました…。まあ、気を取り直していきましょう!!

さて、ではそのアクションですが、今作の魅力は何と言っても爆発!爆発!また爆発!これに着きます!そして決まって、爆発が連発すると、勝つまでOPが流れ、その迫力に拍車をかけます。もうね、これは爽快の一言に尽きますね。また、こういった爆発だけ(失礼である)のイメージがあるダイナマンですが、メンバー全員が何かしらのスポーツ、格闘技のプロという設定であり、それを生かしたダイナミックな個人アクションや集団での戦いもしっかり見せてくれます。とくに、剣術を得意とするレッドの単騎無双は凄まじく、瞬く間に戦闘員を全滅させます。ここらへん、見ていて興奮を隠しきれませんでした。

そして、戦隊アクション全体の極め付けといえば、ずばりロボ戦でありますが…ぶっちゃけ物足りないです(笑)。というよりは、素の戦闘でも強ければロボ戦でも強すぎるダイナマンの場合はそのパワーや強固さも相まって、敵がかわいそうだから仕方なく攻撃を何発か受けてあげてる、ようにしか見えない事態に陥っています。その結果、数秒は苦戦しますが、すぐに形勢は逆転し、恒例の必殺技(バンク)で止めを刺します。う~ん、確かにね、ロボはかっこいいんだけど如何せんワンパターンすぎて飽きてしまう…。どうしてもこのころの戦隊ロボ戦はそういったパターン化が目立っていたように思えます。そういったロボ戦での不満は残るものの、総じて満足いくアクション描写の数々でありました。

 

[まとめ]

最初こそ「感じて理解する痛快作品」という認識で視聴していたものの、中盤から終盤かけての質が高く見ごたえのあるドラマに純粋な戦闘でのカッコよさ、そして、人間として成熟しきったダイナマンひとり一人の魅力や、「子どもと夢」をテーマに掲げてそこからさらに一歩振り下げたストーリー展開など、大変満足のいく作品に仕上がっていたと思います。これを「ネタ」だけで終わらせるのは非常にもったいない…。そう思えてなりませんね。

近年の特撮作品全体に対する扱いの都合上、どうしてもダイナマンも奇異な目で見られるキライがあるので、まずはエア視聴からなるネタ的な扱いをやめ、純粋な目で今作を楽しんでほしいですね。