電撃戦隊チェンジマンはホントにバランスが良かった作品だった件


凡作以上のバランスが良い作品

ジェットマンに没頭することになる数週間ほど前、僕のフォロワーさんの一人がとある作品について熱狂的的に語ってきました。その作品の名は「電撃戦隊チェンジマン」。スーパー戦隊シリーズ第八作目にして、今に続くまでの戦隊作品の中でも最大規模の敵と激戦を繰り広げた戦隊であります。当時、徐々に戦隊という作品に興味をの持ち始めてきた僕は当然のように視聴を開始。一時的にジェットマン等に興味が移ったものの、そのご復帰し、数週間前についに完走しました…という記事をこれまた数週間前に投稿する予定だったのですが、これまた更新が遅れてしまいました。もうしわけありません

さて、そんな風に周りで熱狂的なブームを巻き起こしたチェンジマンですが、僕個人的な感想としては…興奮はできるものの、全体を通してはあまり盛り上がる作品ではなかったと思っています。確かに、複雑に絡み合う敵幹部間の対立や戦いの規模を活かした宇宙全体での平和への尊さを訴えるなど、本作独自の魅力的な展開やメッセージ性は多分に含んでいます。しかし、それに対する興奮度やスケールの大きさを終盤の展開からはあんまり感じることができず、いまいちアッサリし過ぎた作品という印章が強いです。さあ、そんな「電撃戦隊チェンジマン」ですが、具体的に何処がよく、またどこが微妙に終わってしまったのかを順を追って書いていこうと思います。

 

〈ストーリー〉

地球防衛を任務とする地球守備隊の日本支部では、各部隊から集められた精鋭たちに対して、鬼軍曹と呼ばれる教官・伊吹の激しい訓練が繰り広げられていた。しかし、あまりに過酷な訓練に隊員は次々と脱落していってしまう。

そうした時、星王バズーが率いる数々の異星人が集まった宇宙帝国「大星団ゴズマ」の地球侵略が始まった。ゴズマの戦闘員であるヒドラー兵から逃げ惑う隊員達は絶体絶命のピンチに陥る。

その時、地球から光が放たれ、剣飛竜をはじめとした5人の隊員はその光を浴びて、強化服をまとうことができるようになったと。

こうして5人は、これまで伊吹が選抜してきた電撃戦隊の新しい一員「チェンジマン」としてゴズマの地球侵略に立ち向かうことになった。

(ウィキペディアからの引用)

〈感想〉

今作チェンジマンは、先にも書いたように大規模な戦いが特徴の作品です。加えて、前作バイオマンやダイナマンで好評を博した「敵組織側のドラマ」にも積極的にスポットを当てた作品であり、その点で言えば主人公サイドと敵サイドのドラマ配分が非常にバランス良かった内容と言えます。また、全体を通して非常に緊迫感あふれる作劇が繰り広げられていき、視聴者側としても中々に安らげる話が少ないことも大きな特徴と言えましょう。

んで、そんな緊張感あふれる主人公サイドなのですが、正直言うと…目立たないやつと目立つやつの差がかなりハッキリとしてしまったように思えます。単純なエピソード数や掘り下げ数に関しては多少の差はあるものの、おそらくほぼ全員が等しい数活躍が割り当てられていると思います。

まず印象に強く残ったのがリーダーであり実質的な主人公であるチェンジドラゴンこと剣飛龍。彼の活躍はすさまじかった。過酷すぎる訓練の中でも皆を最後まで励まし、チェンジマンに覚醒してからも常にリーダーとして振る舞おうとする姿はまさにヒーローといえます。加えて、他者をを思いやる優しさもかね揃えており、そこから生じる行動があったからこそ勝てた戦いや得られた答えなども数多くあります。そういった魅力がフルに描かれているのが第二十一話。この回には自らが滅ぼした星の様子を宇宙に配信できるカメラで実況するという悪いユーチューバーのような宇宙獣士の攻撃にチェンジマンは苦戦を強いられるのですが、機転を利かせた飛龍がこのカメラを強奪。地球の現状と、自分たちチェンジマンのこと、そして地球を含む命が存在する星の尊さを宇宙全体に伝えることでゴズマに侵略された人々に勇気を与えます。ここでの剣飛龍の行動が勝利に結びつき、後々のチェンジマンの戦いを助ける結果となりました。この回は、チェンジマンのテーマである「宇宙の平和」を端的に表しており、物語の構成としても素晴らしい話に思えます。また、彼は相互理解が可能である存在に対しては対話を試みるなど、「他者を信じる」ことに妥協がありません。結果としてそれが悲惨な結果に終わってしまっても、勝利の鍵へと繋がったりなど、その行動によって相手が‘変わる’機会を与えたことも多々ありました。こういった点から見ても、彼は「チェンジマン」にピッタリな人物設定だったといえます。

リーダーの彼についで濃密にキャラが濃かったのがチェンジグリフォン=疾風翔チェンジマーメイド=渚さやかの二人。前者は普段はチャラそうに振る舞っているけど、頼れるときはほんとに頼れるイケメンキャラとして描かれており、主役回もかなり多い方です。また、イケメンと言う設定を活かして、ゲストの女性キャラと絡むことが多いですが、その本質は極めて誠実で、どんな遊びであっても真剣に考える姿勢にかなり交換が持てました。また、単に女性全体に優しいわけではなく、ゴズマの女性幹部アハメスやシーマには厳しい態度を崩さなかったりするなど、状況を汲んでの行動を心がけています。そして、後者の渚さやかは主役回の数では前述の二人には及ばないものの、チェンジマンの勝利に必須である新アイテムの開発や、かつてにゴズマに星を滅ぼされた住人との交流、そして純粋にヒロインとしての魅力が強調されており、キャラの性質もつかみやすく好感が持ちやすいです。

この三人以外にも、司令官である伊吹長官や元チェンジマン候補生だった戦士団の一員など、作品を通して、または一話限りの登場であったとしても印象に残りやすかったキャラが割りと多かったと記憶します。「宇宙」をテーマにしてることもあってから、そういった活躍の濃いキャラの中には宇宙人も含まれてますね。…に対して、我々視聴サイドに与える各キャラの印象に偏りがありすぎるために、活躍に反して記憶に残らなかった人物も何人かいました。これは敵組織に焦点を振りすぎたことと、他の重要回をほぼ上記の三人に回してしまったことが原因だと思われます。それぞれの個性は確立させはしたものの、やや下位互換的な性格づけなってしまった感は否めないでしょう。

そんな主役サイドの活躍を食ってしまうほどキャラの濃い敵サイド。上述したように、これはダイナマン等で描かれた組織からの離反といった部分をさらに強化するような方向でドラマが構成されてるためであり、それぞれの立ち位置やゴズマに加わる背景、そしてなぜ彼らは従い続けるのか?等が明確に記されています。中でも特筆すべきキャラクターはやはり副官ブーバ。チェンジドラゴンと事あるごとに死闘を繰り広げる彼は、まさに敵側の主人公といえます。ゴズマ幹部全般に言えることではあるのですが、彼はなぜ組織に協力するのか?本心では何を抱いてるのか?そして戦士として彼はどういった人物なのか?といった要素を一身に背負っており、個々のキャラ描写としても最も濃密に描かれています。特に、そして意外なことに、彼関連のエピソードで強調されているのが同じく幹部であるシーマへの「愛」であり、それは終盤を通して語られていきます。後半の彼の行動原理は、チェンジマン打倒を掲げながらもそれを中心として据えており、その思いからくる彼の最後の行動にして唯一の反乱行為は涙なしにみられませんし、語れません。

また、彼以外にも上に挙げた女性幹部のシーマや途中参加のアハメス、指揮官ギルーク等のそれぞれに濃密な背景設定と物語が用意されています。序盤からその伏線を綿密に練ることで、時に悲劇的に、時に感動的に演出することで、物語に相応のスケールを与えることに成功しています。このように、味方サイド、敵サイド、そしてゲストサイドに個々のドラマとその結末、伏線を用意することで、今作にふさわしい大団円を飾ることができたと言えます。

 

<アクションなど>

さて、次は特撮ドラマの醍醐味であるアクションパートです。先に言っておきますとこのチェンジマン、ロボ戦もふくめた アクションは正直微妙に感じられます。ゆえに、多少辛辣な物言いになってしまうかもしれませんが、ご容赦ください。

では最初に等身大でのアクションですが、ここには今作独自の要素が散見されます。代表が、太陽の反射を用いた剣劇。画像を見て分かるとおり、チェンジマンがかなり細身の剣を用いています。これに太陽光を反射させることで、鋭いアクションを演出しています。固有武器を持たない分、こういった演出でその戦隊らしさを現す戦闘描写にはすなおに感心しました。また、力の源であるアースフォースが覚醒してからはそれまで以上にアクション面が強化され、見ごたえが増したように思えます。ですが、総合的に見て一連のアクションはいまいち迫力に欠けていると思います。(バイオマンは未視聴なため比較はできないのですが、)これは直前までに放送されていた戦隊が、どいつもこいつも個々の個性が爆発的に強調されていたものばかりであったための弊害であるともいえますが、ドラマ同様にアクション面もドラゴンに振ってしまっている部分が多く、それが少なからず影響してしまっているのではないかと思えました。

そして戦隊のウリであるロボ戦。上述したようにこれも正直迫力に欠けます。この当時の戦隊は(予算の都合もあるのか?)やたらバンク映像に頼るきらいがあり、展開もワンパターン、ゆえに如何にして通常戦での工夫がなされていくかが重要となっていくのですが、そこにあんまり拘りというものを感じない仕上がりとなってました。また、単純にロボもかっこ悪く、それが戦闘での迫力の無さに拍車をかけているとように思えます。これが序盤だけならまだしも、終盤を通してずっと続いてしまうのが問題で、それゆえに、チェンジマンのロボ戦は大変あっさりとした印象しか残らない結果となってしまいましたね…。

このように、アクション面のイマイチな部分がことごとく目立ってしまう状態に陥っており、なまじドラマパートの質が高かっただけに、残念の一言に尽きるでしょう。だからと言った悪いところしかないといわけでもありません。前述のように、ドラゴンのアクションに重要な要素を凝縮したことでブーバとの対決場面に続く、各宇宙獣士との対決や、変身前の生身のアクションは個性やゲスト回、主役回といった全面に押し出すことで奇抜で楽しめる内容となっています。惜しむらくはこの「遊び」要素が変身後に生かされなかったこと。これさえあれば、もうちょっと評価は変わっていたんですけどね…。

【まとめ】

総評としては演出面に関しては確かなバランス感覚を持ち合わせる作品でありながら、上述してきたアクションや扱いという点での偏りが目立ったために、傑作になりそこねた作品という印象が強いです。しかし、全編を通して、種族を超えた愛や宇宙の平和を訴え、その思いの力こそが強大なる邪悪を滅ぼす力(言い方にちょっとヤマトが入ってる)となり得るという根本に据えたテーマを見事に昇華しきった展開は高く評価できます。とくに、序盤や中盤での悲劇的、感動的な積み重ねがすべて作用してくる終盤の活躍は圧巻そのもので、チェンジマンという作品の最後を飾るにふさわしい終わり方を見せてくれます。こういった展開や熱いメッセージ性もあり、今作は多くの方に一度は観て欲しい作品となりました。ので、ここから興味を持ってくださった方がいましたら、ぜひコレを機にレンタル店に足を運んでみてください。

さあ、みんなでレッツチェンジ!!