鳥人戦隊ジェットマンが予想以上に正統派熱血ヒーローだった

2017年03月18日

先日、友人から「鳥人戦隊ジェットマン」を勧められました。名前を知っていても実際に見たことがない、そんな感じに未視聴の戦隊が多かった僕はコレを機に全話を視聴。メディアや特番などで紹介される際に、よく「戦うトレンディドラマ」と表記されることが多い本作ですが、恋愛要素などは物語に視聴者を引き込むための要素でしかなく、その実態は正真正銘仲間たちの友情渦巻く熱いドラマでした

【ストーリー】
異次元から侵略者バイラムが現れた。開発実験中であった鳥人戦隊ジェットマンはバイラムの襲撃の際に生き残った一人の正規メンバーと、偶然選ばれた四人の民間人によって結成されることに。それぞれの考え方・生き方によって衝突を繰り返す五人であったが、数々の戦いを経て戦士として覚醒していく。

【ドラマ】

序盤こそ確かに恋愛描写(?)が目立っていますが、それは竜や凱、そして香、アコ、雷太の友情を確固たるのもにするための布石でしかなく、三話四話にして早くもそういった要素は鳴りを潜め、メンバーの結束に力が入っていきます。とくにここで重要となってくるのが竜と凱。ヒロインを巡った争い(実際には凱だけ)や衝突を繰り返すことで世間ではトレンディと言われてしまうほどの展開を迎えてしまうのですが、これこそ二人の熱い友情を描くための要素でしかありません。そして、中盤である32話で積み重ねてきた要素がついに爆発し、ジェットマンは完全な形に団結することができたのです。ここの展開、本当に胸アツで神がかってます。従来の戦隊が序盤でなしてきた「結束」と言うものを、ジェットマンは中盤にして完成させることで、他の戦隊以上にその結束を確固たるものにすることができたのです。劇中のセリフ(しかも言ったのは凱!)にもある通り、まさしくこの回から、真の「鳥人戦隊ジェットマン」が誕生したのです。ここにきて、誰もが確信するでしょう。ジェットマンはトレンディドラマじゃない、熱い友情物語なのだと

また、敵側のドラマも濃厚。裏次元伯爵ラディゲを中心に、トラン、グレイ、マリアという四人の幹部で構成されたバイラムは今までの敵組織の中でもかなり少数先鋭ながら、戦隊屈指の強敵としてしばし名が上がります。はっきり言うと、最初から四人が協力して侵略をしていたら序盤のジェットマンでは簡単に敗北していたでしょう。そうならなかったのは、ジェットマン打倒をゲーム感覚で楽しんでた彼らにありました。彼らは手柄を望むあまり、協力を忘れ、ひたすらスタンドプレーに走りました。特にラディゲ。コイツがだいたいの衝突の要因。コイツの凄まじいところは、立場が危うくなると敵であろうが味方であろうが共闘を要請し、座を取り戻そうとするところ。そして、取り戻す回はだいたいトラウマ回となっています。僕も「まあやばくはないだろう…」という感覚で見ていたのですが、ヤバかったです。今じゃ放送できません(断言)

ちなみに、僕個人的に好きな敵キャラはロボット戦士であるグレイ。序盤は中々出番がないものの、酒や煙草、そして音楽を嗜むと言った人間臭い一面を見せ、まさに敵側の凱ポジションにといえるキャラです。特にピアノの演奏に魅了されたことで、マリアに惹かれていった以降の彼は今までになかった弱さを見せるのですが、そこがまた人間らしさを引き出す要因となっており、一段と魅力が増しているといえるでしょう。また、愛を自覚したかと言って戦士としての誇りを捨てたわけではなく、その生き様を貫いて散っていったのも彼というキャラだからこそ成せたことなのでしょう。彼こそ、まさに敵側の「愛」の代表だったのです

【アクション】

僕はあんまりスーパー戦隊を見てきたわけではないので、他作品との比較などはできないのですが、ジェットマンの戦闘は総じてテンポの良いスピーディーなものだったと言えます。例えば個人戦。竜や凱は、個人戦においても戦闘力が非常に高く、時には幹部ですら圧倒することがあります。とくに凱。とある回でグレイによって四人を人質に取られたときはその怒りを力にグレイをあと一歩のところまで追い詰めてます。また、集団戦も見ていて飽きません。特に中盤からは、民間人だっただけに素人くさかった竜以外の四人の動きがキレのあるものとなり、その結束力を表すかのごとく見事な連携となっています。これらは各各の成長を感じさせるものでもあると言えますね。

そして、戦隊の醍醐味であるロボ戦ですが、最初のうちはオマージュ元の一つである「科学忍者隊ガッチャマン」を意識したと思われる(というか確実に意識してる)描写があって面白いです。例えば、ミサイル。最初の何話かで、ガッチャマンで言うところのコンドルのジョーである凱がミサイルを打ち込もうとします。もうコレだけで笑える。他にも、ジェットマンのマシンには「ジェットフェニックス」というもろ科学忍法火の鳥の必殺技が登場するのですが、これまたガッチャマンの演出にそっくり、ついでに技もそっくり。いろんな意味で面白いです。…しかし、それは序盤まで。終盤にかけて二号ロボ、三号ロボ、そして強化合体と戦隊の王道を行く数々のパワーアップイベントを経ていくのですが、それでも最後はほぼ毎回総力戦で、だいたいピンチに陥ります。つまり、ロボの増加、強化という販促と視聴者へのサービスを成していながらも、それはそのまま敵の強大さを表す要素にもなっているのです。ほんとにココらへん良く出来てるな…。ちなみに、個人的に気になる点なのですが、正直パワーアップ機であるグレートイカロスがカッコ悪いです。僕の中では「鳥メカはスタイリッシュでカッコ良い」という謎の法則が存在します。しかしイカロスは頭や腕がやたらデカく、鳥らしい細さがありません。まあ、人の入るスーツである限り、ある程度デカくならざるを得ないのですが、もうちょっとデザインは凝ってほしかったです。

【まとめ、んで総評】

最初にもまとめたように、本作はトレンディドラマの皮をかぶった熱血友情ドラマなのです。最近男同士の、女同士の友情ドラマが見れてないという方にはまずオススメできますし、敵の内部抗争が観たいという方や単純に戦隊は何を見れば良いのか?悩んでる方にもオススメできます。それだけ多くの層に受け入れられる名作であると僕は断言できます。勿論、一年ものであるがゆえにどうしても長すぎると思ってしまうところもありますし、所謂捨て回と呼べるものもあります。しかし、それでも最後まで観る価値のある、いや観てもらいたいと言えるほどの魅力に溢れた作品です。そして多くの方に伝えてほしいです。ジェットマンはトレンディドラマではない、友情ドラマだと…。